キャベツが苦くなったらどうするべき?保存方法や時間経過に注意
サラダや料理など、幅広い用途で使えるキャベツ。
1玉が大きいこともあって、食べきるまでに時間がかかりますが、消化に何日もかけると苦く感じてしまうことがあります。
なぜ時間経過でキャベツが苦く感じるようになるのか、不思議に思いますよね。
今回は、キャベツが苦くなる原因とその対処法について取り上げたいと思います。
キャベツが苦い原因と対処法
キャベツは春になると甘みが増す一方で、苦味を感じることもあります。
この苦味の原因と対処法について解説いたします。
苦いのは灰汁(あく)のせい?
灰汁(あく)とは、食材に含まれる苦味や渋味、えぐ味などの総称を指します。
野菜によっては、灰汁抜きをしないとまずくて食べられないものがたくさんあります。
ただ、キャベツにはこの灰汁抜きが必要な成分などは含まれていないため、苦いのは灰汁が原因ではありません。
イソチオシアネートによる影響
キャベツには「イソチオシアネート」という成分が含まれており、これが苦味の元になっています。
この成分は強い抗がん抑制効果を持つため、体に悪いということはありません。
イソチオシアネートは空気に触れて酸化すると苦味が増し、特に使いかけのキャベツでよく見られます。
また、千切りなどにしてから時間が経つと空気に触れて酸化し、苦味が増すことがあります。
さらに、キャベツが成長中に虫害を受けると、イソチオシアネートを分泌して自分を守ることがあります。
この分泌により苦味が増すため、虫がキャベツを食べるのを防いでくれるのです。
保存方法によって変わる
キャベツの苦味の原因である「イソチオシアネートの酸化」は、保存方法によっても影響を受けます。
例えば、キャベツをカットして表面積を増やすと、酸素に触れる部分が増えます。
また、カット後に長時間放置すると、酸素に触れる時間が長くなります。
これにより、イソチオシアネートが酸化し、苦味成分が増加してしまいます。
つまり、カットしたキャベツを長時間放置すると、苦味が強くなるというわけです。
窒素肥料が原因のケースも
野菜が健全に成長するためには、窒素が必要です。
しかし、過剰に与えると余分な窒素が「硝酸イオン」として野菜に残ります。
この硝酸イオンがキャベツの苦味やえぐみの原因となります。
「成長しすぎたキャベツは苦い」と言われることがありますが、これは窒素肥料の影響かもしれません。
成長しすぎるということは、畑にいる時間が長く、その間に土壌の窒素を多く吸収するため、硝酸イオンが増加し、苦味が強くなるのです。
時間が経つと苦くなっていく
キャベツを買ってすぐは苦くないのに、時間が経過すると徐々に苦くなっていくことがあります。
切ると苦味が強くなる
キャベツをカットして保管していると、断面が空気に触れることでイソチオシアネートが増え、苦味が強くなります。
一回で使う量が少ないと残ってしまいがちなので、買う量を減らすというのもひとつの手です。
時間経過による酸化
保管していて時間が経つと、どうしても酸化が進みます。
どれだけ酸化に気を付けても、時間の経過とともにイソチオシアネートが増えていき、結果として苦味が感じられるようになります。
苦みを防ぐための対処法
キャベツを苦くしないための保存方法を紹介します。
以下のポイントを押さえて、キャベツを美味しく保っていきましょう。
流水にさらしておく
イソチオシアネートは水に溶ける性質(水溶性)があるため、キャベツを流水にさらすことで苦味を抑えることができます。
ただ、ビタミンなどの水溶性の栄養も一部出て行ってしまうので、ある程度は仕方ないと割り切る必要があります。
葉をめくって使う
あえてカットせずに、キャベツの葉を1枚ずつめくって料理に使う方法も有効です。
包丁で切ると断面が酸化していくため、切らずに葉をめくらなければ断面を作らずに済みます。
芯を先にカットすると葉がめくりやすくなり、水分も保持することができます。
早めに食べるよう心掛ける
キャベツの苦味を増やさないためには、できるだけ早く食べきってしまうのが一番です。
新鮮なうちに食べることで、酸化する前に美味しくいただけます。
調味料で苦味を紛らわせる
サラダにしてドレッシングをかけたり、煮物や炒め物にして味をつければ、多少の苦味があっても食べることができます。
ただ、味をごまかすために過度に調味料を振ったりするのは健康上良くないので、その点には注意が必要です。
まとめ
キャベツはもともと量が多い野菜ですし、一気にたくさん食べられるものでもないので、消化に日数がかかります。
しかし、この時間経過によって少しづつ苦味が増していってしまうため、なるべく早めに片づけるのが一番有効な対策となります。
購入する時点である程度消化のめどを立てて、あまりたくさん買い過ぎないように気を付けることも重要になります。
保管方法や購入する量に気を付けて、なるべく新鮮な状態でキャベツを美味しくいただきましょう。